本池大介によって生み出される”痕跡”のかけ合わせ。 皮革には何層もの漆が塗り重ねられ、それぞれの層に惜しみなく時間と手仕事が施される。 その漆皮作品は、手を加えれば加えるほどに、不思議と透明感が増していくように感じられる。 まるで漆そのものが革の内部から滲み出て、混ざり合うかのような質感は、革が本来持つ素材感を凌駕し、全く新しい素材の可能性を提示している。 作家自身の原風景である濃い霧に包まれた山陰地方の情景が、繊細な漆の重なり合い、そして色の混ざり合いによって表現されている。 動物からもたらされる皮革と、植物由来の漆を使って創作することは、それぞれの痕跡をかけ合わせる仕事だ、と本池氏は常々言う。ベースとなる革と対話しながら、一層、また一層と漆のレイヤーを積み上げていく。 素材としての皮革を知り尽くした作家が生み出す唯一無二の漆皮作品群と共に、本池大介の現在地を展示致します。
本池に見せられた、革に漆を塗り重ねた原版。これまでに見たことのない表情に驚きを隠せませんでした。この表現が年々、進化し続けています。
Shoes
Objects
Art works