前回展の終了直後にはもう、次はどうするかを話し合っていた浦上陽介との、二度目となる本展。
浦上陽介は、木そのものが持つ素材としての魅力を解き放ち、彫り込みや、漆、そして箔の重なりによって素
材のテクスチャーを加えながら、浦上ならではの素材感や地肌を生み出します。
端正な茶道具もつくる一方で、整い切らない大胆さを求めて心を泳がせる。浦上は、昨年行なっ
た「use-less展」では、誇張されたサイズ感や、一見用途の見えないような作品群の制作という課題に対して、
異なる質感の組み合わせが際立つ作品を発表しました。
一枚板に墨を重ねて仕上げた4人掛けベンチや、杖を想起させるオブジェ、壁掛けのアート作品や、中心に十
字クロスの抜きが入った大きなトレイ、銀箔の踊る大鉢なども制作し、表現がより自由に広がりを得るさまが
見て取れました。
今回、浦上陽介との対話を通じて生まれたテーマは、フラットな面と向き合うこと
「Face to face」。「フラット」に対して景色を描くように、素材を組み、彫り、漆や箔で仕上げていく。浦上
陽介の意匠を表現していく。浦上がどう受け止めて、「フラット」に向き合うのか、それが、二度目となる
「galerie a」での本展「FACE TO FACE」のテーマです。
浦上 陽介1985年生まれ。長崎県五島列島出身。
桑沢デザイン研究所でプロダクトデザインを学ぶ。
在学中から都内の家具工房で約10年間の修行を積む。
2016年、広葉樹林の近くでの暮らしを求めて東北をめぐり、
立ち寄った蔵王町遠刈田で、
こけし工人や地域の人々に触れて移住を決める。
木と向き合いながら、漆や箔を施した木工作品を作り、
日本各地で発表を続けている。
「二畳で仕事できるよ、お前の腕なら」
という言葉と共に、この地で出会ったこけし工人に、
作業場を与えられた浦上。
暮らしと製作を行う拠点である遠刈田は、
広葉樹林の近くでの暮らしを求めて東北をめぐり、
立ち寄った宮城県刈田郡蔵王町にある温泉街。
標高330メートルの高原にあり、
信仰登山の基地や湯治場として知らてきました。
今も共同浴場を中心に広がる旅館や、
こけし工人の家並みが続きます。
Opening Gallery
- 下記日程で作品をご覧いただけます。ご来場をお待ちしております。
※アポイントメントは不要です。
- Open gallery
- 2022.11.3 THU - 11.13 SUN12:00 - 18:00
- Adress
- 東京都渋谷区神宮前3-36-26
ヴィラ内川101号室
※ ご来廊の際には、必ずマスクの着用、咳エチケットにご協力ください。
エントランスで、アルコール除菌液にて手指の除菌をしてください。
スタッフはマスクを着用して接客をさせていただきます。
Credit
- Gallery Direction
- Nobuhiko Akiyoshi
- Contributors
-
Yusuke Shiki
Roca Onishi
Masakado Nishibayashi
Yuko Mori
Shoko Akiyoshi